長良川とその支流では毎年2月にアマゴ釣りが解禁になります。
アマゴ釣りをする際に最も有効な釣り餌がヒラタという川虫でした。
2月と言えば1年で一番寒い時期、時には川の石に雪が残っていることもある、そんな過酷な環境下においてもやらざるを得なかった、貧しい暮らしを強いられていた私にとって、唯一の収入源がこの川虫獲りだったのです。
当時まだ15歳、釣具店で借りたゴム長とゴム手袋を身に着けて、極寒の長良川に入る、足を滑らせたら終わり、まさに命がけのアルバイトでした。
「十五のある日」には書けなかったこの場面、書きたくてもどう書けばいいのかわからなかった一場面を、今ここでご説明したいと思います。
夏場の捕獲方法
①川に入り流れの強い場所の石の下をヘチマ(今はスポンジ)で撫でます。

②するとヒラタという川虫がヘチマに付いてきます。

③それを口で咥えます。

④咥えたヒラタを素早く竹製の餌箱に吐き出します。

このやり方は夏場の獲り方で、この手法をナデ虫と言います。石を撫でることからそういう名が付いたのだと思います。
冬場はこの手法ではなく、川底の石を持ち上げて裏返し、そこにいるヒラタを直接口で挟んで捕獲します。ヘチマは使いません。なぜならヘチマを使っていたのでは間に合わないからです。ヒラタは動きが早く、あっという間に石の裏側に逃げてしまう、つまり時間との勝負なのです。
この手法をオコシ虫と言います。石を起こして口にくわえる、若干15歳、こんなことをしてお金を稼いでいたのです。
写真はマーちゃん、3歳年下の幼馴染みです。親のあとを継いで釣具店を営んでいます。私はこのマーちゃんのお父さんに川虫獲りを教わりました。今も郡上八幡に帰ると必ず立ち寄る、大の仲良しです。
どうですか皆さん、お金を稼ぐためとはいえ、この川虫を口に咥えることはできますか?
この川虫獲りが今の私の礎になったことは紛れもない事実で、若い時の苦労は買ってもせよというのはこういう事を言うのだと思います。
