作詞 松井達人
作曲・編曲 野々田万照
歌 松井達人
1
バイクは走る 煙を上げて
働く場所を求め 故郷を出る
見送る母さん 小さく見えて
うなるエンジンの音 箱坂を上る
働くとこのない この町で
暮らす ことはできない
カバンの中には 着替えと手帳
わずかな望み
まだ少年で まだ十六で
一人 見知らぬ街へと行く
本当に行くの 本当にいいの
アクセル 開きながら
2
バイクは走る 川沿いの道
働く場所はあるの まだ見ぬ世界に
無言の父さん さびしく見えて
鮎と共に下るの 都会の海原へ
働くとこのない この町で
暮らす ことはできない
おとなしい弟 かわいい妹
どうか泣かないで
もう帰らない もう帰れない
何が あろうと戻れないよ
故郷の山 故郷の川
迎えて くれる日までは
優しい母さん 無口な父さん
いつまでも 元気でいて欲しい
二人の夢は 僕が叶える
一緒に 暮らせるように
解説
高校退学の後そのままバイト先に就職し、次なる道を模索することにしました。
翌年(昭和50年)の5月、それまで勤めていた会社を辞め、美濃市、関市、岐阜市と範囲を広げて探すのですが、中卒の少年を雇い入れる会社など無いに等しく、いったいどうすればいいのだろうと悩み始めていました。
とりあえず大型自動二輪免許を取っておこうと試験場へ行き一発合格、気をよくして買ったのがKawasaki400SSでした。
愛知県岡崎市にある大型店舗(ヤマハオートセンター)へ行きローンで買ったバイクは、私を東京へと導くものでした。
昭和50年8月、東京にあるオートバイ及び部品用品の販売会社に就職希望の手紙と履歴書を送りました。
ところがなかなか返事が来ない、せっかちな私は母に相談、とりあえず東京まで行って見ることにしました。
夏も終わろうかという8月下旬のある朝、ローンの残っているバイクに乗り東京を目指したのです。
秋風が吹き始めた川沿いの道、寂しさを感じながらもこの町では暮らせない、行くしかないと言い聞かせながらバイクを走らせました。
本当に行くの、本当にいいの、自問自答しながら向かう東京までの道のりは450km。
もう帰らない、もう帰れない、何があろうと戻れない、私に帰る家はないと言い聞かせながら走り続けました。
家を出て9時間、午後5時に履歴書を送付した会社に到着、その場で採用となり入寮も許可されました。
不安しかなかった東京の1日目、田舎者の私は早速騙されました。
職場の上司に乗って行ったバイクを上手いこと言われて取られてしまったのです。
生き馬の目を抜くとはこういうことを言うのか、八幡を出るとき、東京は怖い所だと言われたのを思い出しました。
